インタビュー

松若 真凜MATSUWAKA MARIN

健康用品事業本部 品質保証部 実験評価グループ

2022年新卒入社
海事科学専攻科 海事科学専攻マリンエンジニアリング(大学院)卒業

「心地よさ」を数値化し、介護現場の「負」を「快」へ。

大学院では海洋工学を専攻し、船舶構造や海洋環境、海に関わる各種技術について専門的に学んできました。
就職活動では、「これまで学んできたことを活かせること」と「女性がのびのびと働ける環境」を重視していました。一方で、海洋分野を含む工学系の業界には、今もなお男性中心の文化が根強く残っていると感じる場面も多く、そうした環境で自分が働き続けられるのか、不安を抱いていたのも正直な気持ちです。

そんな中、検索エンジンで「海 メーカー」と調べたことをきっかけに、偶然モルテンと出会いました。海に関わる社会基盤事業も展開していることを知り、強く興味を持ってエントリーを決めました。結果として社会基盤事業での募集はありませんでしたが、多様性への配慮など人を大事にする社風に惹かれ、「まず入社しなければ夢へは進めない」とモルテンを第一志望とし、晴れて入社することができました。

現在は、健康用品(医療・福祉用具)の品質保証に携わっています。主な担当は、医療・福祉の現場で使用されるマットレスです。お客さまに製品をより長く、安全にお使いいただくためには、「どのような扱いで製品が壊れるのか」「どのように劣化していくのか」を把握することが欠かせません。一つひとつの製品について、実験と評価を通じて安全性や耐久性を厳格に確認しています。地道な検証の積み重ねが、現場で安心して使われる製品につながっていると考え、日々の業務に向き合っています。

入社当初は、マーケティング部に配属されました。1日中デスクに座っていることに違和感を覚えたこともありましたが、その後設計開発部に異動し、CADなどの基礎を学んだ後、実験評価グループに配属となりました。
最初に任されたのは、マットレスカバーの洗濯耐久試験でした。50回以上の洗濯と乾燥を2週間以上繰り返し、ファスナーの破損や生地の縮みを確認する、地道で根気のいる作業です。しかし、大学院で培った「実験を正確に、最後までやりきる姿勢」を活かし、「任せてもらえた」という実感を持って一つひとつのデータと向き合いました。この経験を通じて、品質を担保することの重みを肌で学びました。

数値と感性を結び、「むれ感」を評価する新たな基準をつくる。

これまでで最も印象に残っている仕事が、入社2年目に取り組んだマットレスの「むれ感」評価方法の構築です。

介護現場では、「むれ」が皮膚トラブルの原因になることも多く、快適性を客観的に示す評価指標の確立が求められていました。
理論的な数値評価だけでなく、実際に使用する人の感覚を測定するため、まずは、評価方法そのものを一から設計する必要があり、実験条件や評価項目、被験者数などの計画立案から着手しました。
上司や周囲に相談しながら検討を重ね、12名の社員に協力を依頼することにしました。

実験では、梅雨時の蒸し暑い環境を再現した部屋で、布団をかぶって1時間横になってもらい、5分おきに暑さや蒸れによる不快感を5段階で評価してもらいました。自らも被験者となり、実際に「むれ」を体感しながら、評価の妥当性や質問項目の表現にも細かく目を向けました。
実験後は、膨大なデータをもとに、仮説検証と分析を行いました。半年以上かけて検討を重ねた結果、感覚を視覚で理解できる「むれ感評価指標」を確立することができました。

実験の計画から検証、分析、評価方法の確立、そして周囲を巻き込んだ提案まで、一連の流れを初めて主体的にやり切った経験は、大きな自信と達成感につながっています。
現在では、この評価指標は製品の比較基準として社内で標準化されており、自分の取り組みが製品の付加価値として形になっていることに、品質保証に携わる技術者として大きなやりがいを感じています。

「松若が言うなら間違いない」と言われる存在を目指して

品質保証部は、直接利益を生む部署ではありませんが、製品の安全と信頼を支える重要な役割を担っています。
私は単に試験をこなすのではなく、他部署から「松若さんが不適合と言うなら、本当に問題があるのだろう」「松若さんが言うなら大丈夫。安心できる」と言われるような信頼してもらえる技術者になることを目標にしています。

そのために、日々の業務に加えて、業務後には統計学や検定の学習に取り組み、現在はプログラミングの勉強も続けています。技術者としてデータを正しく扱う力や倫理観を磨き続けることが、品質保証に携わる者として欠かせないと考えています。

職場の雰囲気は、とても穏やかです。
モルテンでは、経営職に昇格された方が社長から直接辞令を受け取る表彰式が行われます。形式ばった場ではなく、昼休みに社員がお昼ご飯を食べている最中、自然な形でみんなの前で行われるのが特徴です。一人ひとりの昇格を社員全員で祝福する光景からは、純粋に互いを認め合い、称え合う社風を強く感じます。

また、昼休みには敷地内にいるひつじに餌をあげて気持ちを切り替えるなど、仕事と向き合う緊張感の中にも、心が和らぐ時間があります。オンとオフの切り替えができる、余白のある環境です。
こうした温かさと穏やかさが共存する職場環境があるからこそ、品質保証の仕事においても妥協せず、製品と真摯に向き合うことができていると感じています。
安心して意見を交わし、周囲と協力しながら試行錯誤できる環境が、結果として高い品質の追求につながっている——そう実感できる日々です。

私の「つくれ。」

お客さまに「買ってよかった」と心から思っていただける製品をつくれ。

介護や医療の現場には、補助・介助時の負荷、思うように動けない不満など、多くの「負」があります。モルテンの製品を通じて、その「負」を少しでも減らし、現場に「快」を届けていきたいと考えています。
将来的には、海洋工学を学んできた自身のルーツを活かし、モルテンの社会基盤事業とスポーツ事業を融合させ、島国である日本らしい新たな価値を創出してみたいと考えています。

一緒に働きたいひと

何事にも一生懸命に向き合えるひとと働きたいです。
スキルや向き不向き以上に、目の前の課題に真摯に取り組む姿勢が、周囲を動かし、職場全体の力になると感じています。
失敗を恐れず、共に成長していける仲間と働きたいです。

一日のながれ

08:30 メールチェック、試験スケジュール確認
09:00 品質試験準備(マットレスカバーの裁断・サンプル作成)
10:00 試験開始(変色試験、落下衝撃試験など)
12:00 昼食・ひつじへのエサやりでリフレッシュ
13:00 試験結果の確認・データ分析
14:00 試験の後片づけ
15:00 試験報告書作成
17:50 業務終了(帰宅後は統計・プログラミング学習)