会社概要
1958年創業。競技用ボールと自動車部品の製造・販売に始まり、内部の空気圧を調整する「中空体技術」と、ゴム・樹脂などの高分子素材を扱う「高分子化学」の2つのコア技術を活用して事業を拡大。現在では、スポーツ用品、自動車部品、医療・福祉機器、マリン・産業用品の4つの分野で社会課題の解決を目指し、モノづくりを通じた可能性を追究し続けている。
海外拠点は7カ国。
広島からグローバルに事業を展開
競技用ボール、ホイッスル、自動車のアンダーカバーやブッシュ、床ずれ防止用エアマットレス、手すりなどの製品を通して、世界中の人々の「動く」ことに関わってきた。開発や医療・福祉機器の製造は日本を中心に、自動車部品は日本、アメリカ、メキシコ、中国、タイ、ベトナムを拠点に。競技用ボール、ホイッスルは日本、アメリカ、中国、タイ、ドイツで製造しており、スポーツ用品に関しては世界70カ国で代理店契約をしている。
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モルテンにおいて、我々の中心となっているのは、「動く」という考え方だ。スポーツにおけるより高度なパフォーマンス、より高性能な自動車技術、より高い生命の尊厳。我々は、人の和の尊重と技術革新の追究により、高付加価値を世の中へ提供するために、動き続けてきた。人々が一歩前へと動くための製品を提供し、世の中をより良い場所にすることを目指して。すべての人々の可能性とともに、これからも動き続ける。
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スポーツ用品
For the real game
その時の、人々の技術や意志が、100%発揮される時、スポーツは本物となる -
自動車部品
Fun and Functional
自動車の楽しさと機能性を追究し、お客様の要求を形にする -
医療・福祉機器
From the Inside Out
内から外へと広がる豊かな人生と、健康で安心して暮らせる社会のために -
マリン・産業用品
Elements of Foundation
自然と共存できる社会基盤へ、エレメントを提供する
The history of company
代表取締役社長
最高経営責任者民秋 清史
明るい未来をつくる箱
子供の頃、毎月楽しみにしていた本がありました。その本には世界の秘密のすべてが書いてあるみたいで、夢中になって読んだのを憶えています。中でも一番のお気に入りは、「未来の世界」という特集です。見開きのページに描かれた世界では、歯磨き粉のようなチューブが未来のご飯で、透明な筒の中を車が飛んでいる。キッチンに立っているのはお掃除ロボット。創造性に満ち溢れた一枚の絵に興奮しっぱなしでした。幼い私にとって「未来」という言葉は、「明るい」と同じ意味でした。確かに、お掃除ロボットが実際に買えるようになり、30秒で朝ご飯を吸い込め、電気自動車が走り始めた。スマートフォン、3Dプリンター、仮想通貨、VR技術など、未来の世界で描かれていた技術の多くを私たちは手に入れる事が出来ました。一方、溢れた情報のどれを信じていいか分からなくなり、地域コミュニティは消えはじめ、格差問題、国際紛争、環境破壊など、世界に失望するのに十分な出来事が毎日起こり続けています。あれから数十年、あの頃思い描いた明るい未来に、私たちはたどり着けたのでしょうか?
そんな疑問を抱えながら、2012年にテクニカルセンター構想を着想し始めました。世界中から集まったクリエイターが、社会課題を解決するようなハードウェアをつぎつぎ生み出す開発拠点を想い描き、“Think outside the box(既成概念を超えて考えろ)”というメッセージを込めてmolten [the Box]と名付けました。
molten [the Box] には、3つの事業ブランドを象徴するラボがあります。スポーツ部門の “the Court”、自動車部品部門の “the Garage”、医療福祉部門の “the Medical Lab”。専門分野を深堀していく3つのラボをつなぐのが、共同工作室 “the Studio”です。さまざまなエンジニア、デザイナー、プログラマーなどが集まり、迅速にプロトタイプがつくれる the Studioは、基礎研究よりも社会実装を重視するテクニカルセンターの象徴的な存在です。
「大都市では、できないこと」もひとつのテーマとしました。地方都市広島という一見地理的に不利な条件を、逆に魅力に変えるための要素が「自然」です。美しい瀬戸内海を一望できる場所を立地として選び、大きな庭「Hakoniwa」をつくりました。ゴムやプラスチックなどの無機物をつかってプロダクトをつくるエンジニアが、300種以上の多様な植物や、焚火、瀬戸内海などの有機物に関わる。この無機物と有機物の交錯が、人としての豊かな生活や自然の存在をあらためて教えてくれ、新しい発想や広い視野を得ることができる。そんな景色がここにはあります。
モルテンは箱をつくりました。ただ、どれだけ立派だとしても、箱の価値は中身が決めます。ゴミが入ればゴミ箱、宝物が入れば宝箱です。この空っぽの箱から、新しいものを生み出せた時、初めて[the Box]の価値が生まれます。今回のプロジェクトは、デザイン監修をSUPPOSE DESIGN OFFICEさん、ランドスケープをSOLSOさん、設計施工をフジタさん、プロジェクトマネジメントを日建設計コンストラクションマネジメントさん、企画・総監督をモルテンというチームで挑みました。10年を超える気が遠くなるほど壮大なプロジェクトでしたが、いくつものミーティングや分科会で、専門家たちが対話と議論を繰り返しました。お互いが創造性を刺激しあい、膨大な数のアイデアを出し厳選する。それを繰り返しながら、完成までたどり着くことができました。振り返ってみると、この過程こそが、[the Box]で実現したいモノづくりそのものでした。今あるのは高揚感です。モノづくりへの抑えられない欲求。それを形にする技術。世の中の課題に取り組む強い意志。それらを持つクリエイターとともに、“Think Outside [the Box]” を問い続け、子供の頃に見た明るい未来をつくって参ります。