the studio the studio

モノづくりをダイレクトに感じる
熱狂的な創造の場

今までは各事業本部の出来上がったプロダクトしか見ていなかった。“the Studio”ができたことで、開発や試作の過程をダイレクトに目で見て感じることができる。スタジオ内は、正面も裏面もガラス窓ですべてを見通せる設計に。エンジニアから管理部門の事務員まで、モノをつくる姿を見ることで、モノづくりの企業だという誇りを改めて感じることができる。また、これまで共同研究は国内の各大学のラボを使用して実験を行ってきたが、[the Box]にはコートがあり、ガレージがあり、メディカルラボがある。学生やさまざまな分野のプロフェッショナルとともに開発や試作に取り組め、それ以外にも例えばロボットコンテストやミニ四駆の大会などを開催し、このスタジオをメカのチューニング場として使うこともできる。リアルな会話が生まれたり、新たな発想が生まれたりと、ここから本当の意味での「Crossover」がスタートし、コミュニケーションが進化する。

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4種事業横断のモノづくりを実現

[the Box]が出来上がる過程でも、4事業本部それぞれの専門知識と技術が交わりながら完成に至っている。例えば、施設内のサインをつくるには、1事業部では完成できなかった。枠組みの金型や材料となるゴムの部分は自動車部品事業部が、印刷の技術はスポーツ用品事業部が手がけている。“the Garage”と“the Medical Lab”に設置したモルテンのロゴも、自動車部品事業部、医療・福祉機器事業部、マリン・産業用品事業部が得意な分野を活かしながらアイデアを出し、制作している。これこそ、モルテンが描く真の「Crossover」の姿だ。
また“the Studio”の作業台もエンジニア自身でDIYしている。クルマイスの人でもつくりやすいよう高さを調節でき、大きさや色など細部にまでこだわりが詰まっている。また、この作業台はエンジニアだけでなく、DIYイベントを開催し社員とそのご家族で組み立てている。それぞれの作業台に書かれた名前は、自分がつくったモノへの責任、そして忘れがたい思い出として刻まれていく。

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さまざまな機器で
プロトタイプを形にする

“the Studio”は、つくれるモノはとにかく自分たちでつくっていく場。新たなモノづくりのプロトタイプをつくるための加工機械などを用意している。それが、3Dモデリングマシンや真空成形機、オートカッター、ガーメントプリンター、レザー箔印刷機、インクジェットプリンター、電動丸ノコ、コンパクトサイズの旋盤加工ができる機械などだ。例えば3次元データをもとに複雑な形でも立体造形にすることも、ボールの皮をデータ通りにカットすることも、Tシャツなどの布地にプリントすることもできる。ここでなら、オリジナルのグッズをつくることも可能だ。

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エンジニアが活動している風景が
日常にとけ込む

[the Box]の心臓部。建物の真ん中に配置し、階段を昇降する際やオフィスからも吹き抜けを介してエンジニアが活動している風景を見ることができる。そのためにGiant Steps(大階段)側や廊下側もガラス貼りとし、見せるための空間を実現。壁面はアルミサッシを使用することで重厚感のある強固なイメージに。電気配線、局所排気ダクトはあえて露出。しかしスタジオは研究開発情報が詰まった空間、セキュリティ計画は万全を期している。

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think outside [the Box]

interview

事業の垣根を越えて
共同で作業ができる
場所へ

脇林 和幸

the Studio/
スポーツ用品事業

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ボールの飛行特性など、空気抵抗や風力関係を学術的観点から国内の各大学と共同で研究に取り組んでいる。また、2021年に発売した組み立て式サッカーボール「MY FOOTBALL KIT」の開発にも携わった。“the Studio”の分科会リーダーでもある。「“the Studio”で取り組みたかったことの一つに、真のCrossoverが含まれています。分散していた各事業部が[the Box]に集約されましたが、バラバラで仕事をしていると以前と同じ状態になってしまう。それを改善するためにも共同で作業する場所が必要だ、という想いから“the Studio”が生まれました」。
また、新たな発想を生むための場所として設備は最小限に抑えている。「完成した状態で引き渡すと、そこから先の創造力が働かなくなってしまう。あえて未完成にし、必要最小限の道具だけをそろえました。ちょっと使い心地に違和感を感じる状態にすることで、その違和感が何なのかに気づき、より良い場所に進化してもらいたいです」と語る。