エピソード 01
「もっと強い日本を、バスケがあふれる風景」を目指して
社内で経営理論を学び、経営課題を見つけるという研修で、所属していたスポーツ用品事業の課題を考えたことがそもそもの始まり。自分たちの市場を定義し直して、製品や流通の在り方を見直す中で、「そもそも何をやるのか」という戦略的な考え方を学んでいきました。
そこで、「バスケットボールの普及」を課題ととらえると、サッカーとの比較から大きな気づきを得ました。競技人口の差や注目を生んだ流れ、フットサルという気軽にできる競技の後押しなど、バスケットボールに足りていないと感じる要素があったのです。
「ちょっとバスケやっていくか」の空気をつくるきっかけづくり
バスケの普及のネックになっているのは、バスケをする場が少ないこと。公共の体育館だと「ちょっとバスケやっていくか」とはなりにくい。そこで、モルテンが気軽にバスケをやれる場や機会を提供しよう。そこで生まれたのがゲームユニットです。3x3をするためのコートフロア、ゴール、タイマー、ボール、ボールラックといった移動式のコート一式がモルテンに頼めば一度に揃い、2時間くらいで設置できます。
隠れた課題をクリアし、モルテンの技術が生きた商品に
3x3のイベントをやりたいお客様にとって、これまではすべてのパーツを別々に用意しなくてはなりませんでした。しかし、ゲームユニットを利用すれば、準備や設置の手間が省けます。特に工夫した点は、コートフロアです。競合品は、表面が固くザラザラになっていて、コンクリートの上でプレーするのとさして変わりません。転倒すると擦り傷になり非常に痛い。これでは楽しくないし、気軽でもありません。そこで、グリップ性は多少犠牲にし、安全性を高めた設計に変更しました。出来上がった樹脂製のフロアには、自動車部品事業で培ったモルテンの樹脂成形技術が生かされています。