プロジェクトストーリーMY FOOTBALL KIT

MY FOOTBALL KIT

すべての子供たちの
成長のきっかけに貢献する
モルテンにおいて
これまでになかった取り組みを

モルテンがこれまで培ってきた、“スポーツを本物にする”という考え方と、試合球契約を通じて知り合った方々とのネットワークに、これまでになかった新しい視点を掛け合わせ誕生した、組み立て式のサッカーボール、MY FOOTBALL KIT。自分でキットを組み立てるという「教育」、環境に配慮した「素材 / パッケージ」、モルテンの技術が融合した画期的な商品です。

MY FOOTBALL KIT
MY FOOTBALL KIT
MY FOOTBALL KIT

すべての子供たちの成長のきっかけに貢献します。企業や団体が、多くの子供たちへ組み立て式サッカーボールを贈ることで、SDGsに掲げられた、目標4「質の高い教育をみんなに」と、目標12「つくる責任・つかう責任」に貢献するプログラムです。

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プロジェクトストーリーサッカーボール× モルテンの技術で、すべての子供たちの成長のきっかけに貢献したい

内田 潤UCHIDA JUN

スポーツ用品事業 MY FOOTBALL KITグループ グループリーダー

2005年
モルテンに入社。東京本社で大型スポーツ店の営業として勤務。
2016年
プロダクトマーケティング部門に配属。
2019年
商品企画部のフットボールグループに配属になり、フットボールグループリーダーに就任。
2021年
「MY FOOTBALL KIT」グループのグループリーダーに就任。

ストーリーのアウトライン

きっかけは、社内の戦略研修に参加したことです。経営理論を学ぶだけでなく、課題を設定し、自ら戦略を立てて実践するというスタイルの研修です。従来の発想の延長で、アジア地域でのサッカーボールの拡販を考えていましたが、SDGsを知ったことにより、今までになかったアイデアが生まれ、様々なメンバーを巻き込んで、「MY FOOTBALL KIT」という組み立て式のサッカーボールが実現しました。

エピソード 01

アジアにおける子供たちのサッカー環境の改善をテーマに

最初はサッカーボールをいかにしてアジアで拡販していくか、といったテーマを考えていました。調査を進めていく中で、「世界、とりわけアジアには、まだまだ壊れたボールや衣類を丸めてボール代わりにしている子供たちが多くいる」ということに気づきました。これは大問題ではないかと。原点に立ち戻って考えてみると、モルテンの果たすべき役割は、“For the real game”の実現を通じて、世の中をより良い場所にすることなんです。これまで自分が取り組んできたボールの販売を拡大する以外で、「世の中をより良い場所にするために何か考えることができないだろうか」そんな疑問を持つようになり、何とかして多くの子供たちにボールを届けたい、サッカーができる環境を提供できないだろうか、ボールを寄贈してはどうだろうか、そして子供たちの成長につなげたい、というアイデアがぼんやりとつくられていきました。

サッカーを通して学んだことを世界中の子供たちに

私はもともとプロのサッカー選手を目指していて、大学までプレーをしていました。その夢が叶うことはありませんでしたが、サッカーを通じて、「目標達成に向けた努力」「仲間、指導者、親への感謝」など、様々なことを学びました。サッカーが私を成長させてくれたと思っています。しかし、世界にはサッカーがしたくてもできない子供たち、満足のいく環境で教育を受けられない子供たちがたくさんいます。そんな子供たちに届けたいとの思いから企画・開発したのがMY FOOTBALL KITです。ただのサッカーボールではありません。自分で組み立てるサッカーボールです。子供たちのサッカーへの興味、関心をかきたてるだけでなく、自ら組み立てることで空間認識能力を鍛えるという教育効果を狙っています。また、環境問題への配慮から、素材には再生ポリプロピレンを約40%使用しています。こだわりはデザインと蹴り心地。実にカッコいいでしょ。さらに蹴った感じはまさにサッカーボール。モルテンはボールメーカーなので、ボールを蹴った時の蹴り心地を残すことでサッカーの楽しさを伝え、デザインも「おっ!」と思われるカッコよさ、蹴りたくなるワクワク感を表現してます。私たちはMY FOOTBALL KITを通して、多くの子供たちの成長のきっかけに貢献したいと考えています。

エピソード 02

デザインと教育を、モルテンの技術で形に

上述したように、最初はボールを子供たちに届けようというアイデアから始まったのですが、研修を進めていく中で、SDGsを知り、「ただボールを届けるだけでは教育につながらない」「スポーツ用品で学校市場をお客様とするモルテンは教育と相性がいいのでは」「環境問題にも貢献することはできないか」ということを考えるようになりました。そんな時に民秋社長から「ボールをつくるという発想はどうだろう」というアイデアが出て、「それは行ける!」と思い、すぐプロジェクトを動かしました。デザインは製品として重要な要素のため、デザインを有限会社nendo様にお願いしました。実際に最初のデザイン案を見たときは、「おおっ」と思いました。とにかくカッコよかった。また教育効果については、花まる学習会の高濱先生から「組み立てるというやり方が、子供の空間認識能力を高めるのにうってつけだ」とお墨付きをいただきました。このようにしてMY FOOTBALL KITがつくられていきました。

子供たちの成長のきっかけに貢献するボールをつくりたい

最初はやはり不安でした。本当に子供たちの成長のきっかけに貢献できるだろうか、喜んでもらえるだろうかと。案ずるよりも産むが易し、実際に子供に使ってもらおうということで、試作品をつくってカンボジアに持って行き、現地の子供たちに実際にボールを組み立ててもらいました。すると、子供たちは大喜びで、彼らの表情には、自分でボールを組み立てることができた達成感、しかもそのボールで遊べる嬉しさがあふれていました。また文字通りMY FOOTBALLなので、彼らがボールに愛着を持って、大事そうに扱ってくれていたのがとても印象的でした。組み立てるのに予想していたよりも時間がかかるという課題も見つかりましたが、この時の様子を見て、これは間違いなく子供たちの成長のきっかけに貢献できる、そう確信しました。

エピソード 03

テーマに関心を持ったメンバーと進めたプロジェクト

プロジェクトのメンバーは、MY FOOTBALL KITの企画に共感して自主的に集まってきてくれました。メンバーの中には、学生時代にボランティアで発展途上国にサッカー場をつくる活動に参加していた者もいて、同じ志を持つ人たちが集まってくれ、本当に心強かったし、何よりも嬉しかったです。

私自身は、純粋にこのプロジェクトを楽しんでいました。プロを目指してサッカーに打ち込んでいた時のように、確かに練習はきついけど、サッカーが楽しいからやっていたという感覚に似ています。寝ても覚めても、昼も夜も、平日も休日も、とにかくこのプロジェクトのことを考え続けていました。

役割と責任をそれぞれが全うする

製品開発のメンバーは本当に苦労したと思います。彼らがいないとアイデアがあっても形になりませんから。空気を入れないボールをつくること自体初めての試みですし、組み立て式にするために今までにない工夫が必要になります。我々の成形技術が活きるように、でもカッコよさを失わないという条件で何度もデザインを直してもらったり。環境に配慮するために再生材を使うことにすると、なかなか良品ができない。できても蹴り心地がイマイチ。こっちもサッカー選手のはしくれだから、そこは妥協したくない、何とかしてくれ!となるわけです。ただ、開発面で手は動かせない分、私ができるプロモーションや、発展途上国の人たちとの関係づくりなどは必死でやりました。振り返ると、開発のメンバーとはお互いを高め合う関係ができていたと思います。
カンボジアに試作品を持ちこんだ時のことです。子供たちがボールをつくって喜ぶ姿を見て、同行していた開発のメンバーが涙を流していました。このメンバーたちと、このプロジェクトをやってきて本当に良かったなと思いました。アイデアだけでは形にすることはできない。開発のメンバーがいたからこそ形にすることができたと実感し「絶対に成功させなければ」「必ずやり遂げる」という思いが一層強くなりました。

エピソード 04

モルテンの経営資源を活かし、
自分の可能性を信じてチャレンジを

MY FOOTBALL KITはこれで終わりではありません。今後の展望として、このボールの生産工場を発展途上国につくることができれば、そこで雇用を生み出すことができます。そして、社内に社会課題に目を向ける若い社員をどんどん増やしていきたいです。モルテンの経営資源を活かして、あるいは外部のパートナーと組んで、社会課題を解決するような製品やサービスを生み出すことが、もっとできるはず。モルテンの強みは何か、できることは何か、どうやったらできるのか、社会から求められていることは何か。簡単ではないですがこれらをバランスよく考えていくことで、答えを見つけることができるのではないでしょうか。自分の可能性を信じて、自分自身も成長しつつ、周囲を巻き込んで新たなチャレンジをしていきたいです。

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