インタビュー

菅 聖純SUGA KIYOZUMI

スポーツ事業本部 技術開発統括部

2017年 新卒入社
工学部 航空システム工学科 卒業

希望だったSPE開発グループでキャリアをスタート

振り返るとこれまでスポーツと共に生活してきました。
小学校までソフトボール、中学校で軟式野球、大学ではバスケットボールやフットサルのサークルに入っていました。そして、ボールやカウンターを通して自然とモルテンを知り、会社に興味をもちました。
大学では、航空システム工学科で機械製図や機械力学、材料の基礎を学びながら、主に飛行機の機体の材料について学びました。長く親しんできたスポーツと大学で学んだことをどちらも活かせる点で、モルテンを選びました。

現在、所属しているSPE開発グループは、ボール以外のスポーツ用品を扱っています。私は以前から、ホイッスルの構造に関心を持っていました。サッカー場のような屋外では、大観衆の中でも選手や審判、観客に音が届き、体育館のような屋内なら屋内全体に聞こえます。ホイッスルを吹く環境や人で条件が変化するのに、それぞれの環境に適用できるホイッスルはどんな構造なのかと、不思議に思っていました。そして、ホイッスル以外でもカウンター、得点ボードなどエキップメントの幅の広さも面白そうだと感じ、SPE開発チームへの所属を希望していました。
部署のメンバーは、電気・外装設計・海外製品の開発など各自が専門分野をもち、各製品に携わっています。その中で私は、電気分野を担当しています。

歴史を刻む製品と、既定路線の突破ができた製品の開発

スポーツ用品事業は、“For the real game” をディビジョンブランドのブランドステートメントとして、掲げています。「プレイヤーの技術と意志が、100%発揮される時、スポーツは本物となる」つまり、我々の製品を通してスポーツが本物となる環境を実現していくことを目指しています。

様々な製品に関わるなかで、印象に残っている製品が2つあります。

1つ目は、TOKYO2020 で使用されたサッカー競技場のコーナーフラッグです。既存品がありましたが、特別な試合のために設けられたルールに対応するため、新規で製品を開発することとなりました。

コーナーフラッグとは、コーナーラインを示すものとしてコーナーキックをする場所に設置されます。プレイヤーからすると、コーナーフラッグは、実はなくても困らないものです。一方で観客からすると、どこまでがコートなのかを示す目印として使われています。
製品に求められることは、怪我を防止できる品質です。試合中に選手に当たることを想定し、且つ定められたルールのなかで設計し仕上げる必要がありました。 例えば、「選手の顔や体に直接当たらないような形状にする」「たとえ当たっても曲がらない」などです。

製品を仕上げる過程で、国立競技場の審判部の方やグランドキーパーの方にヒアリングをしました。自分たちが良いと思っていたものでも、利用者にとっては改善点があったりと、何度も試作を繰り返しました。
基本的な設計は私が対応し、必要な部品は社内の自動車部品事業の材料の専門家に協力を要請しました。今回は製品の一部にゴム素材を使うことになったため、金型成形や試作品作りをサポートしてもらいました。このように、事業部の垣根を超えて協力して進めることができたことは、貴重な機会となりました。

一生において、オリンピックに関わる経験は何度もないことでしょう。会社の歴史に爪あとを残すような製品に関わることができたことは、私にとって大きな財産となりました。

2つ目は、アウトドアタイマーです。ここ数年の気温の変化で、特に夏の野外で長時間熱を帯びると不具合が発生してしまうことがありました。以前の製品は、本体の色は黒がベースで熱を吸収しやすく電子部品に影響があることがわかり、逆転の発想でベース白、文字を黒にするというアイデアで開発が始まりました。

これまで本体を黒にしていたのは、既存のデジタルタイマーが黒を採用しており、ブランドのデザイン性の統一を重視したからです。その既成概念を取っ払い、本当に質の良いもの、そして必要とされる製品を作ろうとリニューアルをしました。

この製品は、学生時代に学んだ、電気分野の知識が生かされています。本体の色の変更にとどまらず、野外での文字の見やすさを狙ってフィルターを改善しました。電気関連の担当者として手掛けたと言える、印象に残っている製品です。

自ら手を挙げて、経験を積む

経験のチャンスを得ることができる環境で、自ら手を挙げ、自らの意志で取り組むことが出来るのは、私たちの事業部の特徴のひとつです。役職・経験年数などは問わず、製品のアイデアを考えます。専門が違う分野に対しても提案を歓迎される文化があります。
また、製造企画の段階から自ら手を挙げて製品に関わることもできます。既存品のリニューアルだったり、新規の製品計画など、事業部では日々様々なアイデアが飛び交っています。

社外にも通用する技術者になりなさい。」という激励のメッセージを、先輩社員からいただいたことがあります。自社内の業務は、限定された専門知識になってしまいがちです。多くの経験を通して得た知識の振り返りやアップデートは意識しなければなりません。

樹脂製品の設計の経験がない私にとって、カウンターのような製品の開発を一人で一貫してできるようになることが、今後の目標の一つになっています。
カウンターは、樹脂設計、電気関係、量産準備という幅広い分野の知識が必要です。全体工程を把握し理解できれば、全体感をもって計画的に進めることができます。量産まで幅広く動けるスキルを身につけて、設計できるような技術者になりたいです。

私の「つくれ。」

今までに作ったことのないエキップメントをつくれ。

既存にとらわれずに、常に進化していく。

一緒に働きたいひと

仕事は一人ではできず、メンバーや事業部を跨いで課題に向き合います。協調性があることが大事だと思います。
また、いつも良い時ばかりではなく困難もあるため、何事にも前向きに取り組めるひとと、働きたいです。

一日のながれ

08:00 始業
08:15 メール確認、スケジュール確認
09:00 プログラム編集、書き込み
10:00 打ち合わせ
12:00 試験
13:00 資料作成
15:00 試験データまとめ
16:45 事務作業、1日の振り返り、翌日のスケジュール確認
17:10 退社

※私の職場はフレックス制です